ARCHIVES |2020  |2019 |2018  |2017  |2016  |2015 

 



No.08
2016 03/10(木)ー 03/27(土)


Fake blues 見せかけの青  山本雄教 YAMAMOTO Yukyo







関連イベント   3/12(土65 PM 4〜  アーティストトーク







山本 雄教
YAMAMOTO Yukyo


ブルーシートは、工事現場をはじめとする囲いや、作業の際に床や壁を汚さないための養生、あるいは路上生活者の仮設住居といった、様々なものを覆う、隠すといった用途を持っています。そして空や海に近い色ということが選ばれた理由のひとつでありながらも、およそ自然とは言い難いビビッドな青色は、ポリエチレンによる素材感とその用途も相まって、日常においては異物といえる存在です。
今展ではそのブルーシートを基底材に、富士山をはじめとする様々な対象の青として擬態させます。そこから見えてくるのは、表層的に覆われた対象のイメージでしょうか、
あるいは異物の中にある美しさでしょうか。はたまた…。
空や海とは程遠い「見せかけの青」を元に、考えたいと思います。

山本 雄教

略歴
1988 京都府出身
2010 成安造形大学 日本画クラス 卒業
2011 成安造形大学 研究生 修了
2013 京都造形芸術大学大学院修士課程 修了





個展  
2010 「連続していく対象」(ギャラリーはねうさぎ/京都)
  「米騒動」(成安造形大学コンテンポラリーギャラリー/滋賀)
2011 「どこへ行く」(ギャラリーはねうさぎ/京都)
  「し・てん」(gallery PARC/京都)
2013 「What is there コメをみる※コメにみる」(gallery PARC/京都)
  「rice view」(ギャルリーオー/滋賀)
2014 「RICE LIFE」(ギャラリー和田/東京)
  「How is this connected to that?」(つくるビル/京都)
  「one」(ギャラリー恵風/京都)
2015 「EXCHANGE」(gallery maronie/京都)


受賞など
2012 「ART AWARD NEXT2012 Vol.2」審査員賞 (東美アートフォーラム/東京)
  「公募 日本の絵画2012」入選 (永井画廊/東京)
2013 「京都府美術工芸新鋭展 2012京都美術・工芸ビエンナーレ」公募部門大賞 (京都文化博物館)
  「美術新人賞デビュー2013」準グランプリ(ギャラリー和田・フジヰ画廊/東京)
2014 「TERRADA ART AWARD」優秀賞(T-Art Gallery/東京)

その他グループ展など多数。








お米や1円玉、点字ブロックなど日常ありふれたものを山本雄教は好んで素材や題材に使う。ありふれた対象は自明の価値や用途をもっていると思われがちだ。しかし提示の仕方によって、それは新たな相貌を表す。
たとえば山本は、1円硬貨のフロッタージュにより巨大な1万円札や1ドル紙幣をつくり、さらに1円硬貨を床一面に敷き詰めて、硬貨を踏んで作品を鑑賞するように仕向ける。そこには、ものの見方をさまざまに「両替」していく場をつくろうという山本の意図がある。
今回はブルーシートとという、これまたありふれた素材が用いられる。巧みな描写により、日常見なれた対象が普段とは違う姿に転じていく。「自明」が崩れるその瞬間を、お見逃しなく。
+1art カワラギ