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2019年度より 休廊日が 日・月・火曜日に変わります。

(OPEN 水・木・金・土)どうぞ宜しくお願いします。



2019 1/30(水)ー 2/16(土)
AM11:00~PM7:00(最終日はPM 5:00まで) 休廊 日・月・火曜

発 酵 を よ む  藤枝 守・井上明彦・稲垣智子

reading fermentation  Mamoru Fujieda・Akihiko Inoue・Tomoko Inagaki







発酵をよむ。 藤枝 守(作曲家)

発酵という生命現象。微生物によるその原始の生の姿や変容をよむ。そもそも、発酵に興味を抱いたのは、数年まえ、九州の焼酎メーカーの集まりに参加したときのことだった。麹菌と麦や芋などの原材料を仕込んだ醪(もろみ)のなかでは、どのような発酵の響きが渦巻いているのだろうと想像したのである。
じっさいに、醪のなかの微生物の声をきいてみようと、特殊に養生した水中マイクを試作し、そのマイクを持参して焼酎の蔵元を訪ねてみた。そして、発酵の現場となる醪のなかにしずかに沈めたときに、マイクを通じたその発酵する響きは、じっと聴き入りたくなるくらいに心地いいものだった。
この発酵の響きの心地よさは、たんに生命体が発するからだけではなく、その生命活動を成り立たせる場、あるいは器としての「甕」という存在も大きいように思えた。つまり、微生物がさまざまに排出する炭酸ガスや温度の変化によって甕のなかに対流運動が起こり、その流体のうねりが心地よい周期を生みだしているように思えたのである。生命を育む環境としての「甕」と発酵という微生物の生命維持メカニズムとの相互性のなかにミクロな生態系が現れる。





関連イベント 2 / 11(月・祝)

一部 アーティストトーク「発酵をよむ」 
  藤枝守・井上明彦・稲垣智子

 
ーー 八女茶と和菓子のふるまいーー

 

二部 音楽会「この御酒を醸みけむ人は」
 和琴/中川佳代子
 演目/和琴による「植物文様琴歌集」(藤枝守作曲)


開場:14:30 開演:15:00
会場:高津宮大阪市中央区高津1-1-29  www.kouzu.or.jp
予約 2000円 /当日 2500円
予約・お問い合わせ:+1art/ plus1art@gmail.com

*イベント当日は+1 artの休廊日ですが、開場前13~14時の 1時間、ギャラリーを臨時に開廊します








A r t i s t



藤枝 守
Mamoru Fujieda



甕の音なひ
「カミ-カム-カメ-カモス」という「カ行」の連関のなかに浮かび上がる発酵のプロセス。「噛む」という行為が人と微生物とを結びつけ、「醸す」という生命現象が生みだされる。そして、その醸しの現場となる「甕」のなかは、発酵の響きに満ち溢れている。
その発酵の響きを「音なひ」として、カミがおとなう(訪う)ときに発する声に見立てるとき、甕は結界を張った儀礼空間に変容する。
  藤枝 守  


略歴
植物の電位変化データに基づく《植物文様》という作曲シリーズを展開。 著書として『響きの考古学』など。 CDとしては《ゴシック・ハープの植物文様》や《Patterns of Plants》など多数。 最近では「甕の音なひ」(2015)、「織・曼荼羅」(2017)などの舞台作品を手がける。2018年、台湾大学アーティスト・レジデンス・プロジェクトにより《台湾茶の植物文様》を発表。
また、2019年、西山まりえによるCD《ルネサンスの植物文様》がリリース予定。


  作曲家/九州大学大学院芸術工学研究院教授.。カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了。博士号(Ph.D. in Music)取得。





井上明彦
Akihiko Inoue



地面に穴を掘って、土と稲藁を入れて混ぜ合わせ、土壁のための発酵土をつくったことがある。強烈な匂いは忘れがたい。甕の中の発酵は、形のある固いものに取り囲まれた形のない柔らかいものの酸化反応からなる。そこではのぞき込むことと見上げること、生と死、陰と陽、見ることと聴くことのたえまない交換が生じている。
  井上明彦  


略歴
人間・大地・自然の関係への関心を基軸にジャンル横断的な制作活動を行う。2006ー07年文化庁芸術家在外研修でパリ滞在。 近年の主な展覧会に、複数形の世界のはじまりに(東京都美術館、2018)、新シク開イタ地(神戸アートビレッジセンター、2016)、still moving(元崇仁小学校、ギャラリー@KCUAほか、 京都芸大移転プレ事業、2015, 2016, 2017)、反重力(豊田市美術館、2013)、Trouble in Paradise / 生存のエシックス(京都国立近代美術館、2010)など。
https://www.akihiko-inoue.com

  美術家/京都市立芸術大学美術学部教授(造形計画)







稲垣智子
Tomoko Inagaki



枯れない花、添加物を入れてカビない美しいお菓子、赤い液を流しながら腐っていく花、カビが生えて様相を変えていくインスタレーションなど、変化を意識した作品を作っていた。
今回出会ったのは「発酵」。「発酵」と「腐敗」は人間の都合で分けられるが、本来は同じもの。それでも違いがあるのかもしれない。何かを超えたところを垣間見るような作品を、「発酵」そして、「コラボレーション」の中に見出したい。
  稲垣智子  


略歴
美術家。歴生と死、自然と人工、女性性などを表現した映像インスタレーションを中心に作品を発表。近年、個展では Decalcomanie(サードギャラリーアヤ、2018)、 Ghost(Art-U room、2017)、TEGAMI−稲垣智子(FRISE/ハンブルグ、2016)、Project ‘Mirrors’(京都芸術センター、2013)、グループ展には、カサ
ブランカビエンナーレ(2017)、WROUGHT(シェフィールド、2016)、Kyoto Current(京都市美術館、2013) 他





協力:大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻生物資源工学領域
   京都市立芸術大学伝統音楽研究センター



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